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脅迫された人妻 part1

1

配達の途中、R公園の出入口の脇の駐車場にバイクを駐めて、伊部孝也はそばのベンチに腰を下ろした。

腕時計を見た。 午後一時十五分。

平日はこの時間帯、杉野由紀子の家には彼女しかいないはずだった。

初夏にしては強い陽差しが照りつけていた。伊部は手の甲で額の汗を拭いながら、携帯電話を取り出した。

さすがに緊張して、さっき昼食を摂ったとき充分冷たいお茶を飲んだというのにもう喉が渇いていた。

固唾を呑み、舌で唇を湿しながら、携帯に登録している杉野由紀子の自宅の電話番号を表示して、電話をかけた。

「はい、杉野です」

数回の呼び出し音のあと、澄んだ女の声が出た。

「奥さんですか?」

伊部は聞いた。

「そうですけど、どなたですか?」

伊部の声が緊張して硬かったせいか、由紀子の声が警戒するような感じに変わった。伊部は切り出した。

「奥さん知ってます? 奥さんがセックスしてるビデオがインターネットで流れてるの」

「え!?……なんなんですか、いきなり変なこと……失礼じゃないですか、かけまちがいでしょ」

必死にシラを切ろうとしているようだが、声はうわずり口調はしどろもどろしている。ひどく動揺しているのが手に取るようにわかった。

(やっぱり、まちがいない。本人だったんだ)

そう確信していても、杉野由紀子本人からそれを裏付ける反応を得て、伊部は興奮した。

「かけまちがいなんかじゃないですよ。俺、奥さんのことはよく知ってるんですから。ていうか、前から奥さんを見てて、(いいなァ、色っぽいなァ)って憧れてたんだから。で、ネットで奥さんを見たとき、黒縁の眼鏡かけてたから最初は(似てるなァ)って感じだったけど、口元の色っぽいホクロも同じだし、何回も見てるうちにまちがいない、やっぱり奥さんだってわかったんですよ。いやァ、そのときはもうビックリなんてもんじゃなかったですよ」

「やめて!」

突然、由紀子が悲痛な声を発した。

「勝手なこといわないでッ。あなたがなにをいってるのか、わたしにはまったくわからないわ。迷惑です。悪質ないたずらはやめてッ」

ヒステリックにいうなりガチャンと受話器を置いた。

伊部はすぐにかけ直した。

由紀子はまだ受話器のそばにいるはずだが、呼び出し音が鳴っていても出ない。伊部が辛抱強く待っていると、ようやく繋がった。

由紀子は黙っている。伊部は訊いた。

「奥さん、ネットに流れてる自分のエッチなビデオ、見てないんですか?」

「見るわけないでしょ、そんなもの。わたしとは関係ないんだから、あなたが勝手に勘違いしてるだけなんだから。そんなことより、もう電話なんかかけてこないで」

由紀子は必死に感情を抑えているような口調でいった。

見ていないというのは本当かもしれない、と伊部は思った。

「でも奥さんが男とやってると子がネットに流れてんですよ。それは事実なんですよ。もうビデオに撮られたってことは認めたほうがいいんじゃないですか」

「そんな……ありもしないこと、あるわけないじゃないの」

動揺を抑えきれないらしく、由紀子はまた感情的になっていった。

反対に伊部は穏やかに、努めてていねいな言葉づかいでいった。

「まだしらばっくれるつもりですか。じゃあ仕方ないな。こんなことしたくはないんだけど、どうしても認めたくないっていうんだったら、奥さんがやってるとこ、ご主人に見てもらって、確かめてもらいましょうか。それでもいいですか?」

「やめて!……脅迫するなんて、ひどいわ……あなた誰? 誰なの?」

由紀子はひどくうろたえたようすで言い募った。

伊部はほくそ笑んだ。由紀子自身、インターネットに流れているセックスシーンが自分のものだと認めたも同然だった。

「だからいったでしょ、俺だって本当はこんなことしたくないって」

そういうと伊部は打って変わって熱っぽく話しかけた。

「俺、奥さんのこと好きだから、困らせたり苦しめたりしたくないんです。奥さん、ビデオの中のインタビューで借金を返済するためだっていってたけど、俺、奥さんがあんなエッチシーンを撮影させるなんて最初は信じられなかったし、すごいショックだったですよ。でも、だからって嫌いにはならなかった―――ていか、奥さんがほかの男とやってるとこ見てたら、妬けて妬けてたまんなかったけど、俺、もともと奥さんみたいな熟女が好きだから、奥さんの裸も、やってるとこも、見ててすごく興奮しちゃって……」

「…………」

「で、それまで憧れてるだけだった奥さんに、親近感が湧いてきちゃったんです。で、ほかの男とあんなエッチなことしてるんなら、俺にもやらせてくれたっていいだろうって思ったんです。それも脅迫とか無理やりとかじゃなくて。俺、奥さんと仲良くしたいんですよ。仲良くエッチを愉しみたいんです。ね、俺の気持わかってくださいよ、奥さん」

由紀子は黙っている。

伊部は沈黙の意味を測りかねた。相手の胸のうちがわからないまま、いった。

明日のこの時間、午後一時半にR公園の噴水の側で待ってます。R公園わかりますよね」

由紀子はなおも黙っている。いま伊部がいるR公園は彼女の自宅からそう遠くない場所にある大きな公園だから、彼女も知らないことはないはずだった。

「ただし、それはないと思うけど変な考えは起こさないでくださいよ。そんなことをしたら俺もしたくないことをしなきゃいけないし、奥さんだって大変なことになりますよ、いいですね」

伊部はやんわりと脅しをかけた。

どう思っているのか、由紀子はまだ黙っている。

「じゃあ明日必ずきてください。愉しみに待ってます」

伊部はそういうと電話は切った。


新妻【借金肉欲地獄】 著者:雨宮 慶 発行所:フランス書院

→【part2
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